You Only Haas Once: UC Berkeley MBA留学記

"You Only Haas Once" (人生でHaasは一度きり)という造語です。2017-2019年のHaas School of Business, UC Berkeleyでの生活や感じたことをつらつらと書いてみます。

Haasの授業について (Leadership Communication 1)

前回の記事で触れたコミュニケーションの授業 (Leadership Communication)の内容を紹介する。

目的としては、人に影響を与える話し方 (Influential Speech)を身につけること。

 

各コマ前半は講義中心(少しペアワークあり)で、後半は小グループに別れて2分間のスピーチを各々し、フィードバックをし合うという授業。ちなみにプレゼンはビデオに撮られていて、それを見て所感を事後課題として提出する。

テーマは毎週異なり、自分のパーソナルな話から、ビジネスプレゼンなど、いろいろな場面でのスピーチを学んだ。

前職では、人事の研修担当として人前に立つ経験が多かったので、プレゼン余裕っしょと思っていたら、アイコンタクトやら手振りなどが酷すぎて、課題がたくさんあることを知った。

ただ、この授業で学んだことは、身ぶり手振りなどのハードスキルだけではない。

いかに自分らしく(Authentic)話せるかということである。

大きな学びは、Fake it till you make itという考え方。ぶっちゃけ当初は「偽るってことは自分らしくないじゃん!」と思っていてあまりこのフレーズは好きではなかったが、この授業を通じて、「自分らしく話す≠自分の思うこと、感じることを全てありのまま話すこと」ということを思った。

そもそも「自分らしい」とか「自分ってなんぞや」という話になる。「自分」っていうのは相対的な存在で、いつ、どこで、誰に向けて、どの立場から話しているかのコンテクストによって、見せる「自分」も変わってくる。結局「本当の自分」なんてのはなく(というか全て本当の自分)自分の想いやアイディアをうまく伝えるためにはコンテクストに合わせることがとても重要になる。

最初のうちは、そのコンテクスト(周りから求められる自分)に合わせて振る舞うということに違和感を感じるかもしれないが、繰り返しやっていくうちに慣れていく。

有名なTED Talkでも触れられているが、経験がなくとも、自信がなくとも、とりあえず大きく振る舞うことが大事で、今の自分より大きめの自分を作っておくと、そのギャップを埋めるように成長するようになる。

そういう小さなステップの繰り返しで、Influencial Speakerになっていくのだと思った。

 

ちなみに、とはいえ前半で触れた、身ぶり手ぶりなどのハードスキルもめちゃくちゃ大事。そのメッセージの伝わり度合いが変わってくるため。なので目障りなジェスチャー(手グセとか)を排除したり、伝わりやすいような目配せ方などを身につける努力をしていた。

 

あとこの授業で、Improvisationという考え方も学んだが、これは次の記事で触れる。

 

ちなみに上で紹介したTED talkは過去にも何回か見ていて、その都度感動していたのだが、この授業を受けて改めてこのFake it till you make itのコンセプトを自分の中で消化できた気がする。そういう意味でやはりわざわざこの地に来て、時間をかけて学ぶことに大きな価値があるのだと思った。