You Only Haas Once: UC Berkeley MBA留学記

"You Only Haas Once" (人生でHaasは一度きり)という造語です。2017-2019年のHaas School of Business, UC Berkeleyでの生活や感じたことをつらつらと書いてみます。

Haasの授業について(2年秋学期振り返り)

2018年も終わり早いもので残りもあと1学期。

だいぶ間が空いてしまったが、2年生の秋学期にとっていた授業について振り返る。

(VC&PEについてはすでに振り返ったので、それ以外)

 

今期はソフトスキル系の授業を多めにとった。

以前聞いていたフレーズで”What got you here, will not get you there”というものがあり、これからどんどんキャリアを積んでいく上ではソフトスキルの方が重要になるのではと思い、時間があるうちにとってみることにした。

総じて、自分の強み、弱みや、何をやりたいかということが見えてきたと思う。あらためてMBAは失敗してもよい場だと思うので、卒業までに、その弱みの克服の実験をしていきたいと思う。

 

[Power & Politics] 

Power & Politicsはどう人を組織に影響を与えるかのの理論+人に影響を与えるためのコミュニケーションスタイルを学ぶ。他の学校にも同様の授業はあれど、HaasではあえてPoliticsという単語を授業のタイトルに入れ込み、「政治的=打算的」といったようなネガティブなイメージを払拭したいという想いがあるとのこと。

さまざまなリーダーのコミュニケーションスタイル、組織変革のケースや、reputationを高める理論などを学んでいく。

 

[Negotiations for Conflict Resolution]

Negotiations for Conflict Resolutionは交渉術の授業。毎週異なったタイプ(1対1、グループ対グループなど)のシチュエーションが与えられ、交渉におけるベストプラクティスを学んだ上で、ネゴシエーションのアクティビティを行う。交渉はwin-loseではなくwin-winが重要(Grow the Pie and then slice the pie)ということや、アンカリングテクニックなどを毎週やることで身につけていった。

 

Power & Politics, Negotiation共に共通しているのは、自分のコミュニケーションを見つめ直すこと。

それぞれの授業では自分が話している場面をビデオに撮り、自分で振り返る+クラスメートからのフィードバックをもらってどう改善できるかを考える。

 

私は同時平行でとっていたのでPower & Politicsで見つけた自分の弱点も踏まえて Negotiationアクティビティのスタイルちょっと変えたりもしていた。共通していたフィードバックとしてはもっとアサーティブにならなければいけないということで、グローバル環境で戦っていくための課題が明確になったし、少し修正する訓練はできたと思う。

 

また両方の授業を通じて、政治的であることや交渉することのネガティブなイメージを払拭できたと思う。これまでは政治的な人を打算的と毛嫌いしていたと思うが、政治的であることは組織の中で生きぬいていく、周りを巻き込んでいく手段としてニュートラルに捉えられるようになったと思う。卒業して働いていく中でも、身の振る舞い方の土台になるような、とてもよい授業2つであった。

 

[Storytelling for Leadership]

週末2日かけてのワークショップ。1年の春にとったAudience Focused CommunicationがPitchのためのスピーチの組み立て方などに対して、こちらはリーダーとして人を動かすためのStorytellingのスキルを学ぶ。準備したストーリーを話し、講師からフィードバックをもらうというよくある形式ではあるのだが、とてもよかったのが、みんな相当ディープな話をしたこと。

リスクをとって自分をさらけ出す究極の体験をすることで、どのような環境でも話せるようにする、ということで、だいぶパーソナルの話をしていた。生い立ちの話、家族の話など、これまでなかなか聞くことができなかったし、人の心を動かすストーリーとはどんなものかを実感することができた。

 

[Pursuit of Meaningful Work]

Haasのユニークさだと思うのだが、Haasでは自分が世の中にどのようなインパクトを与えたいのかをよく問われると思っている。そのインパクトのために自分はどのような変化が必要なのかを見つめる授業。キャリアセッションの側面が強いがちゃんと単位がくる。

内容としては「なぜ人と組織は変われないのかーハーバード流 自己変革の理論と実践」にある免疫マップをベースに、自分の行動を縛っている固定観念なのを洗い出す。その他大人の育成理論(成長マインドなど)も交えつつ、自分を客観視する。そしてその固定観念が正しいのかを問うイメージ。

自分の無意識な固定観念に気づくことができたし、また今後のセルフコーチングのツールを手に入れることができたと同時に、自分のやりたい仕事はこれだ、というはっきり自信を持って言えることができた。

 

[Social Impact Metrics]

Haasの強みの一つであるソーシャル系の授業。ソーシャルインパクト界はインパクト評価が後付けになっていることもあり、インパクト評価の重要性を再認識するというもの。セオリーオブチェンジや、介入の仕方の種類、評価の測定方法やそのチャレンジなどをいろいろなタイプのNPO等のケースを取り上げながら議論する。とてもプラクティカルな内容であった。

 

[Project Management Case Studies]

プロジェクト管理におけるベストプラクティスやフレームワークを学ぶ授業。目から鱗といった内容ではないものの、これまで自己流で学んできた内容をしっかりと体系的に学ぶことができてよかった。